荒巻医院、福岡市東区筥松、JR箱崎駅、内科、消化器内科荒巻医院

WEB予約

LINE登録

予防接種

目次

※定期接種とは、予防接種法に基づき、国や自治体が主体となって行う接種のことです。
インフルエンザワクチンは予約不要(定期接種期間のみ)ですが、その他のワクチンに関しては事前の予約が必要となります。お電話等でご相談ください。

インフルエンザワクチン(定期・任意) 

●インフルエンザとは
インフルエンザはインフルエンザウイルスが原因で発症する毎年冬に流行する呼吸器感染症です。
1〜3日の潜伏期間の後に悪寒(寒気)、高熱、関節痛、倦怠感などの全身症状と咳、鼻水、咽頭痛などの風邪症状で発症することが多く、中には悪心・嘔吐、下痢などの腹部症状も伴うことがあります。
若くて健康な方は、症状はつらくても致命的になる可能性は低いです(60歳未満で致死率は0.01%)が、高齢者や基礎疾患のある方では重症化するリスクが高くなります。
特に続発性の肺炎は命に関わることもあり、重症化、死亡を防ぐためには、予防と早期の治療が重要です。
 
●ワクチンの効果
インフルエンザワクチンは、接種後約2週間で免疫効果が現れます。
その効果は3〜5か月間持続し、感染予防や重症化防止に大きな効果が期待できます。
高齢者では発症予防効果は30〜40%と高くはないですが、重症化予防効果50%、死亡予防効果80%と高い効果が報告されています。
また、若年者の発症予防効果は70〜90%と高く、社会的にも重要なワクチンと考えられます。
ワクチンの効果が最大限に発揮されるためには、流行が始まる前に接種することが推奨されています。
毎年のインフルエンザシーズンは秋からとなることが多いため、早めのワクチン接種をすることで、シーズンを通して予防効果を維持できます。
 
●ワクチン接種の対象
当院では、小学生以上の方を対象にインフルエンザワクチンの接種を行っております。
13歳未満の方は2回接種が推奨されています。
 
●費用について
接種費用は、年齢や助成制度の有無によって異なります。
例年、10月から翌年3月まで接種を実施しています。詳細は決まり次第ご案内いたします。
また当院で1回目を接種された方が、同シーズン中に2回目の接種をされる場合、2回目の接種は通常より低価格で実施しております。

目次に戻る ↑

新型コロナワクチン(定期・任意)

●新型コロナウイルス(COVID-19)とは
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、SARS-CoV-2というウイルスによって引き起こされる呼吸器感染症です。
潜伏期間は0.5〜6日程度でインフルエンザと同様に咳、発熱、倦怠感、咽頭痛、鼻水などの風邪症状で発症します。
嗅覚・味覚障害・息切れといった症状が特徴的です。重症化すると肺炎を起こし、特に高齢者や基礎疾患ある方では致死率が高くなります(60歳以上では1%前後とインフルエンザより高い)。
一部の人では回復後も長期的な倦怠感、息切れ、物忘れ、眩暈、嗅覚障害などの症状(Long COVID)が残ることがあります。
感染予防や重症化予防、後遺症予防にはワクチン接種が有効とされています。
 
●ワクチンの効果
新型コロナウイルスは変異を繰り返しており流行株によって有効性の報告が異なっています。
2024年に流行したXBB株では発症予防効果は41%と報告されており、入院予防効果は54.2%と報告されています。
ワクチンの予防効果は数ヶ月で減衰することが報告されており、繰り返し接種することが推奨されています。
当院では最新の流行状況と医学的根拠を踏まえた情報提供を行っています。
 
●ワクチン接種の対象
12歳以上の方は接種可能です。任意接種をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。
毎年10月〜翌年3月の間で65歳以上及び基礎疾患を有する60〜64歳の方を対象とした定期予防接種が実施されます。
今年度の詳細が決まり次第、あらためてご案内いたします。

目次に戻る ↑

帯状疱疹ワクチン(任意・定期接種)

●帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスに初感染(いわゆる『みずぼうそう』)後に、生涯にわたって潜伏感染しているウイルスが原因で神経に沿って発疹や痛みを引き起こす病気です。
成人の9割以上が水痘帯状疱疹ウイルスを保有しおり、加齢・疲労・免疫抑制状態などによって免疫力が低下した時に発症します。
50歳以降に発症が増加し、80歳までに約3分の1の人が発症するとされています。
三叉神経領域(顔の一部)で発症すると視力低下や聴力低下をもたらすことがあります。
また、その他の部位で発症した場合でも重症化すると「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる長期的(数ヶ月から数年)な痛みが続くことがあります。
 
●ワクチンの効果
ワクチンの接種により、帯状疱疹の発症率を低下させ、重症化を防ぎ、帯状疱疹後疼痛を予防する効果が期待できます。
帯状疱疹ワクチンは2種類あり特徴が異なります。
1. シングリックス(不活化ワクチン)
発症予防効果は50歳以上で約97%、70歳以上でも約90%程度とされており、帯状疱疹後疼痛に関しても88%と高い予防効果が期待できます。
予防効果も9年以上持続すると報告されており、免疫不全の方でも接種が可能です。
非常に効果が強く、有効なワクチンではありますが、接種回数は2-6ヶ月の間隔を空けて合計2回接種が必要であり、一回あたり22,000円(合計で44,000円)と高額です。また、接種部位の副反応(痛みや腫れ)が強いと言われています。
2. ビケン(生ワクチン)
発症予防効果は約50%程度とされ、帯状疱疹後疼痛の発症は3分の1程度に抑えられると言われています。
予防効果は約5年持続すると言われており、徐々に減弱していきます。また、生ワクチン(弱毒化した病原体を使用)であり、ステロイドや免疫抑制剤使用などを含む免疫抑制状態の方は接種できません。
上記のように効果はややシングリックスに劣りますが、接種回数は1回のみであり接種時の副反応も少なく、費用は8,800円(公費負担ありの場合は:4,900円)と身体的にも金銭的にも負担が少ないという利点があります。
 
●ワクチン接種の対象
50歳以上の方は任意接種が可能です。
定期接種は65歳を迎える方、60-64歳でヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能の障害があり日常生活がほとんど不可能な方が対象です。
2025度年から2029年度までは移行措置として65, 70, 75, 80, 85, 90, 95, 100歳となる方も対象となります。
料金表も合わせてご参照ください。

目次に戻る ↑

肺炎球菌ワクチン(任意・定期)

●肺炎球菌による感染症
肺炎は、日本における死亡原因の第5位を占めており、現代においても命に関わる重大な感染症です。その中でも、肺炎球菌は最も頻度の高い原因菌であり、特に高齢者や基礎疾患をお持ちの方に重篤な肺炎を引き起こす可能性があります。
肺炎球菌は「莢膜(きょうまく)」と呼ばれるバリアのような構造を持ち、病原性が非常に強いのが特徴です。脾臓の機能が低下している方、脾臓を摘出されている方は、重症化しやすく、特に注意が必要です。また、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症の回復期に続発性肺炎として発症するケースも多く見られます。
現在、肺炎による死亡の約98%は65歳以上の高齢者であることがわかっており、ワクチンによる予防が非常に有効かつ重要とされています。
 
●ワクチンの効果
肺炎球菌ワクチンには以下の2種類があります。
・ニューモバックスNP(23価莢膜多糖体ワクチン:PPV23)
・プレベナー13または20(13価・20価蛋白結合型ワクチン:PCV13/PCV20)
ニューモバックスNP はより多くの菌株に対応していますが、免疫の持続期間が短い傾向にあります。プレベナー13または20は免疫の持続が長く、強い免疫応答を引き出す特徴があります。
 
●ワクチン接種の対象
65歳の方、60〜64歳で心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害がある方は1人1回定期接種が受けられます。
対象期間以外では、任意接種となりますが接種は可能です。接種から5年経過していれば任意での追加接種が可能です。

目次に戻る ↑

麻疹ワクチン(任意)

●麻疹とは
麻疹(はしか)は麻疹ウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症です。非常に感染力が強く、免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症すると言われています。
感染経路は空気感染といい、数時間前に同じ部屋に感染者がいただけで感染する可能性があり、1人の感染者から12〜18人に感染するとも言われています。
感染すると、10〜12日間の潜伏期間の後、38℃程度の発熱と風邪症状が2〜3日持続し、39度以上の高熱と発疹が出現します。1000人に1人の割合で脳炎が発症し、先進国でも1000人に1人は死亡すると言われています。7〜10年後に発症する亜急性硬化性全脳炎という致死的な合併症も報告されています。
発症すると特別な治療法はなく、予防が非常に重要になっています(接触から72時間以内に麻疹ワクチン接種で発症予防が可能です)。日本では、予防接種の徹底により激減していますが、年齢によっては接種していない可能性があります。
 
●ワクチンの効果
ウイルスを弱毒化して作った生ワクチンです。1回の接種で95%、2回接種で97〜99%の方が免疫を獲得できます。
 
●ワクチン接種の対象
当院では成人のみ接種を行なっております。麻疹にかかったことが無い方、かかったかどうか不明な方、2回接種されていない方が対象になります。未接種または1回接種のみの可能性が高い年齢は表(現在作成中です)をご参照ください。

目次に戻る ↑

風疹ワクチン(任意)

●風疹とは
風疹は、風疹ウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症で、風疹への免疫が無い人に対して強い感染力(1人から5〜7人に感染する)を持っています。
感染すると2〜3週間の潜伏期間を経て発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。
小児では比較的軽症のことが多いですが、重篤な合併症として脳炎や血小板減少性紫斑病が2,000〜5,000人に1人くらいの割合で発生します。
成人で発症した場合、高熱や発疹が長く続いたり、関節痛を認めたりするなど、小児より重症化することが多いとされています。
妊娠20週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、生まれてくる子供に先天性風疹症候群(眼や心臓、耳に障害)を発症する可能性があります。妊娠1ヶ月でかかった場合は50%以上、妊娠2ヶ月の場合は35%と非常に頻度が高いですが、妊娠中の女性は予防接種を受けることができないため周囲の人の予防が重要になります。
 
●ワクチンの効果
風疹の予防のためには、ワクチンの予防接種が最も有効と言えます。風疹ワクチンの接種で95%以上の人が免疫を獲得できると言われています。
また、2回接種を受けることで1回の接種では免疫がつかなかった方の多くに免疫がつくと言われています。
 
●ワクチン接種の対象
当院では成人のみに接種を行なっています。風疹の抗体がない方、特に妊娠を計画している女性、そのパートナーや家族が対象です。男性にも広く接種が推奨されています。妊娠中は接種できないため、妊娠前に計画的に接種することが重要です。
未接種または1回接種のみの可能性が高い年齢は表(現在作成中です)を参照ください。
※福岡市在住の方は助成対象の可能性があります。ご相談ください。
※抗体があるか検査することも可能です。

目次に戻る ↑

RSウイルスワクチン(任意)

●RSウイルスとは
RSウイルス感染症は一般的には4〜5日の潜伏期間の後発症し、鼻水、咳などの症状が6〜8日続きますが、多くは軽症で回復します。
主な感染経路は飛沫感染で、咳やくしゃみにより飛散した飛沫が眼、鼻、口の粘膜に付着したり、ウイルスで汚染されたものに触れた手から間接的に接触したりすることで感染します。
RSウイルスの感染力はインフルエンザウイルスと同等かやや強いとされています。成人では、検査は保険適応外であり検査をされないことがほとんどですが、身近に潜んでいる感染症です。
高齢者や基礎疾患(喘息、COPD、うっ血性心不全、糖尿病、慢性腎臓病など)があると重症化リスクが高いと言われています。治療薬はなく、予防が重要であり2024年1月から日本でも成人での接種が可能となりました。
乳幼児(1歳未満は重症化、入院率が高い)との接触が多い高齢者や、重症化リスクの高い慢性閉塞性肺疾患や、心不全、免疫不全がある方にとってRSワクチンの接種は有効な予防策と考えられます。
 
●ワクチンの効果
60歳以上の成人に対して、接種後6〜7ヶ月間で82.6 %発症を予防したと報告されています。
ワクチンの効果がどれほど持続するかは、まだデータが得られていません。
 
●ワクチン接種の対象
RSウイルスのワクチンには、アブリスボ(高齢者と妊婦)とアレックスビー(高齢者のみ)の2種類があります。
当院では妊婦へのRSワクチンの予防接種は行なっておらずアレックスビーのみ接種が可能となっております。
60歳以上の方で、心疾患・肺疾患・免疫機能が低下している方が主な対象になります。
現時点では公費負担はなく、比較的高額なワクチンとなります。接種をご検討される方は、ご相談ください。

目次に戻る ↑

子宮頸がんワクチン(任意)

●ヒトパピローマウイルス(HPV)とは
ヒトパピローマウイルスは主に性交渉によって感染するウイルスです。150種類以上ある中で、16, 18, 31, 33, 45, 52, 58型の7種類のウイルスは感染すると悪性腫瘍(子宮頸がん、肛門がん、膣がん、外陰がん、陰茎がん、中咽頭がん等)の原因になると言われています。
子宮頸がんの主な原因は16型、18型であり若年に多いと言われています。6型、11型は外陰部や膣にイボができる尖圭コンジローマの原因となり、男女合わせて4万人ほど感染者がいると言われています。
子宮頚がんで亡くなる人は、毎年2,800人程います。多くのがんは、中高年以上で発症することが多いですが、子宮頚がんは20-40歳の若い女性の発症が多く、予防と早期発見が重要です。
定期接種の対象は小学6年生から高校1年生の女子ですが、定期接種を受けていない成人女性の方や、成人男性の方で接種をご希望の方はご相談ください。
 
●ワクチンの効果
ヒトパピローマウイルスワクチンは3種類(サーバリックス、ガーダシル、シルガード)あります。
サーバリックスとガーダシルでは約70%、シルガードでは90%の子宮頚がんを予防できると言われており、効果は20年ほど持続するとされております。
原則的に1回目に接種したワクチンを、2回目以降に異なる種類のワクチンへ変更することは推奨されていません。
 
●ワクチン接種の対象
成人女性の新規のキャッチアップ接種は終了しております。
2025年3月31日までに1回目の接種をされた方は2026年3月31日までであれば公費負担による接種が可能です。
他院で1回目のワクチンを接種され、2回目以降の接種を当院で希望される場合も公費負担での接種となります。自費での接種を希望される方はご相談ください。

目次に戻る ↑

各ワクチンの料金

▶スクロールしてご覧ください。
ワクチン種類 種類 任意接種 定期接種* R7年 特記事項
インフルエンザワクチン   3,800円 1,500円 福岡市在住の方
1,600円 福岡市以外の方(地域によって異なります)
新型コロナワクチン コミナティ 15,000円 未定  
帯状疱疹ワクチン シングリックス 22,000円 (44,000円) 12,000円 (24,000円) 2回接種が必要です。
ビケン 8,800円 4,400円  
肺炎球菌ワクチン ニューモバックス 8,800円 0円 65歳で接種券をお持ちの方
プレベナー 12,000円  
MRワクチン(麻疹・風疹)   11,000円  
RSウイルスワクチン アレックスビー 25,000円  
子宮頚がんワクチン ガーダシル 17,600円 (5,2800円) 0円 成人は3回接種が必要です。
シルガード 27,000円 (81,000円) 0円 成人は3回接種が必要です。
A型肝炎   8,800円    
目次に戻る ↑